さくら動物病院
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さくら動物病院院長のブログ

耳掃除の注意点

皆さまこんにちは!

暑い日が続く8月が終わって秋の気候になるかと思いきや相変わらず暑い日が続いてますね。

酷暑からただの夏に変わっただけで、秋の風はまだ感じられない日々です。

日中のワンちゃんのお散歩はまだ火傷しますので注意してくださいね。

 

今日は飼い主さんからよく聞かれる質問の一つ、耳掃除についてお話しようと思います。

「耳掃除ってしたほうが良いんですよね?」

結論から申しますと、基本的にはNoです。

耳は自分で耳垢を外に出す自浄作用を持っています。

耳掃除をしなくても耳垢は勝手に外に出てくるんですよ。

そして犬と猫の耳というのはこの様にL字に曲がっています。

耳掃除をしようと綿棒などをいれると、L字の奥に耳垢を押し込んでしまうことになり、外耳炎を引き起こす原因となります。

外耳炎にならないように頑張って耳掃除をしようと積極的に掃除をする飼い主さんが、逆に外耳炎の原因を作るという悲しいことになっちゃうんですね。

なので基本的には耳掃除を家で行う必要はありません!

 

では“基本的には”といった理由はなにか。

中には耳掃除が必要な子がいるんです。

どういう子かと言うと、

1. 耳毛が多く、耳垢が外に出てきにくい子

2. 慢性外耳炎がすでにある子

3. 耳の自浄作用が働きにくくなっている子

などです。

詳しく説明していきましょう。

 

1. 耳毛が多く、耳垢が外に出てきにくい子

これはプードル、マルチーズ、シーズー、シュナウザーなどが該当します。

これらの犬種は耳の中(耳道)に毛根が多くあり、外に出て行こうとする耳垢が毛に引っかかっちゃいます。

そうすると耳道に耳垢が多く溜まってしまい、酵母様真菌や細菌などの温床になります。

異常に増えたバイキンたちは外耳炎の原因にもなってきますので、このような耳のタイプの子は定期的な耳洗浄を推奨しています。

 

2. 慢性外耳炎がすでにある子

慢性外耳炎は正常な耳道を変化させて、耳垢が多く作られるようになったり、荒れた耳道にバイキンが増えやすくなってしまいます。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどを持っている子は、そちらの治療と並行して耳をきれいに保つように指導することがあります。

定期的な洗浄によって荒れやすい耳をケアし、薬を減らすお手伝いになります。

 

3. 耳の自浄作用が働きにくくなっている子

プードルやレトリーバーなどの犬種は、元々耳が脂っぽくなりやすい体質を持っており、耳垢産生が過剰になりやすい体質に加え耳道の自浄作用が働きにくい子が一定数います。

病院できちんと耳洗浄を行ってもどうしても一定期間経つと耳垢が貯まるような子は自浄作用が働きにくいタイプだと推測されます。

そんなときは洗浄液を耳に入れてあげることで、自浄作用の働きをサポートすることが出来ます。

 

ただし!!!

大切なのは「正しい洗浄方法にて行うこと」です。

耳の構造を知って、今の耳の状態を知って、正しい洗浄方法を行うと状態は改善しますが、間違った方法で洗浄すると外耳炎を作るだけでなく最悪手術も行わないといけなくなってしまいます。

正しい方法を文章で書くことは難しいので、間違った方法を書いておきますと、

・綿棒は絶対に使わない!

・見えないところは掃除しない!

・ガーゼやシートは使って擦ってはいけない!

・洗浄液をケチらない!

などが大原則です。

 

当院では必ず耳鏡を用いて耳の状態を把握してから洗浄方法を考えています。

鼓膜の状態もわからないのに洗浄してはいけませんからね。

今耳掃除を行っている方は、今一度その洗浄が正しいのか見直してみてください!


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