外耳炎と点耳薬
皆さまこんにちは
この冬は趣味のスノーボードに行けないだろうなぁと思っていたのですが、なんとか2回行くことが出来ました!
土曜日の診療終わりに湯沢へ向かい、仮眠をとって、朝からゲレンデで沢山滑ってきました。
アンディ360も固まってきたのでそろそろソネやオーウェンが出来るようになるといいなぁと思っています。
今年は暖かい日が多かったせいで雪も少なくシーズンアウトする人も多いんじゃないかなぁ。
来年は沢山滑れる日を作れると良いなと思っています。
さてタイトルの話題に触れましょう。
今日は外耳炎の話です。よく病気に悩んでいる方は多いですよね。
外耳炎の治療をするにあたってとても大事なのはPSPP分類というものです。
(こちらの画像はどうぶつの細菌検査さんの飼い主さん向け資料からお借りさせていただきました)
外耳炎を引き起こすのは「主因」であり、それ以外の「副因」「増悪因」「素因」だけでは外耳炎を引き起こさないと言われています。
外耳炎の治療をするにあたってはこの主因にフォーカスし、併せて他の要因にもアプローチしていきます。
そこで治療をするのに使う薬が「点耳薬」です。
点耳薬と一言で言っても数多くの種類があるのですが、私は常に耳の状態を確認してからどの点耳薬が適切だろうかと考えて選んでいます。
一例だとこちら。
粘度や油と水のバランス、薬剤の種類がそれぞれ異なっているため、きちんと耳の中を確認し症状によって使い分けます。
実は届けたい場所、治したい症状によって使い分けがあるんですね!
この点耳薬ですが、私は基本的に処方せずに病院の中でのみ使用するようにしています。
その理由は、人間の心理的に手元にある薬を使いたがるからなんです。
それの何がだめなの?って思われる方も多いと思うのですが、実は本当に良くないんです。
多くの点耳薬の中にはステロイド剤が入っています。
炎症を止める効果が高く、点耳薬の主たる成分と言っても過言ではありません。
上手に使うと炎症を止めて再発も遅らせてくれる素晴らしい成分なのですが、不適切な使い方をすると困った副作用をもたらします。
その副作用は不可逆的な耳道の変化をもたらすので、最悪手術をしなければいけなくなります。
耳を治療するのに点耳薬を使うが、その点耳薬もリスクと表裏一体のものです。
それを適切に使うのが私達の仕事だと思っています。
まずは痒みを止め、その後にうまく管理できる道を探していきますので、ぜひ安心してご相談ください!
そして、もし耳が痒くなったときには手元にある薬は使わずに病院に持ってきてもらってご相談くださいね。