兎のミルクティーちゃんの巻 
症例ショートショート Part2 
症例ショートショート Part1 
犬のリンダちゃんの巻 
猫のレオちゃんの巻 
急患犬ハッピーさんの巻 
猫のふくぞうちゃんの巻 
   
   
  症例ショートショート Part2
 
(SS4)  ちょっとめずらしい病気のワンちゃんの巻き... 2011.08.25
   7月、8歳のコーギーちゃんが夜間救急で来院されました。
  夜になって立ち上がることができなくなったとのことでした。
  前日の夜から食欲が無く水ばかり飲んでいたようです。
  ふだんは活発なワンちゃんですがこの日ばかりはかなりぐったりの様子でした。
  ただちに検査と点滴を行いました。
  血液検査では重度の脱水が疑われ、また腎機能の数値も上昇していました。
  その後は点滴治療などで状態は改善していきました。
  しかし経過をみていくなかである稀な疾患である疑いがでてきました。
  そこで追加検査を行ってみました。
  すると副腎皮質機能低下症であることが分かりました。
  副腎皮質機能低下症はアジソン病とも呼ばれています。
  この病気は副腎という臓器からのホルモン分泌が低下することで発症します。
  症状としては、嗜眠、削痩、嘔吐、下痢、虚弱、脱水、多飲タ尿などが見られる
  ことがあります。
  診断がつけば内服薬による治療が可能ですが、
  生涯お薬を服用したほういいようです。
  このワンちゃんは数日後には退院し元気も食欲も元どおりになりました。
 
 
(SS5)  チワワの花ちゃん(仮名)の巻 2011.11.08
   10月、11歳の雌のチワワの花ちゃん(仮名)が来院されました。
  主訴は、3か月前から徐々にお腹が大きくなりここ1週間で急に膨れてきた
  とのことでした。食欲もやや低下していました。
  身体検査ではお腹がパンパンにはっているのが一目瞭然でした。
  早速検査したところ子宮に液体が貯まっている可能性がありました。
  さらに検査を進めたところ子宮水腫を第1に疑いました。
  おかあさんの同意が得られたので後日試験開腹を行ったところ、多量の液
  で膨れ上がった子宮が認められ、卵巣と子宮を摘出し閉腹しました。
  ワンちゃんでは子宮の病気としては膿が貯まる子宮蓄膿症がより一般的で
  子宮水腫は比較的まれです。
  また子宮蓄膿症では細菌感染を伴うので症状もより重篤です。
  花ちゃんの場合子宮水腫だったので症状は軽くその点は幸運だったといえます。
  花ちゃんは子宮を取ったことで2.3kgあった体重が1.7kgに減りましたが
  術後の経過は良好で元気に退院していきました。