兎のミルクティーちゃんの巻 
症例ショートショート Part2 
症例ショートショート Part1 
犬のリンダちゃんの巻 
猫のレオちゃんの巻 
急患犬ハッピーさんの巻 
猫のふくぞうちゃんの巻 
   
   
  症例ショートショート Part1
 
(SS1)  歯周病で口が閉まらなくなったネコさんの巻き... 2010.10.12
   飼っているネコさんの口が閉じなくなって涎を垂らしているとのことで
  夜間診療の依頼がありました。
  診察してみますと歯周病が原因で上顎の左犬歯が抜けかけていて斜め
  に傾いてしまっていました。
  その歯が下の犬歯とぶつかって口を閉じられなくなっており、ネコさんも
  どうしたもんかとあがいていました。
  無麻酔で抜こうかと試みたのですが痛がったのでその場で麻酔をかけて
  抜いてあげました。
  麻酔から覚めたネコさんはキョトンとして私を見ましたがそのあと何事も
  なかったようにグルーミングしていました。
  すっかり落ち着きを取り戻し帰って行きました。
 
 
(SS2)  スルメイカを食べて腰を抜かしたワンちゃんの巻... 2010.10.12
   ワンちゃんがスルメイカを盗み食いして腰が立たなくなってしまい往診
  してもらえないかという電話がありました。
  さっそく出向いてみますと中型のワンちゃんが腰砕け状態で、動けなく
  なっていました。
  おかあさんの話では今日スルメイカを1袋まるまる盗み食いしてしまった
  とのことです。
  スルメイカに含まれるチアミナーゼは体内のビタミンB1を壊してしまいます。
  そしてビタミンB1が欠乏してしまうとこうした症状が出ることがあります。
  そこでビタミン剤の注射と内服薬で経過を観ることにしました。
  後日電話で様子を伺ったところ散歩できるまでに回復したとのことでした。
 
 
(SS3)  心臓がバクバクするワンちゃんの巻き... 2010.10.12
   2月、14歳のワンちゃんが当院を受診しました。
  主訴は抱っこすると心臓がバクバクするということでした。
  また興奮時に咳も出るということでした。
  身体検査では中~重度の心疾患が疑われました。
  その後の詳しい検査で僧帽弁閉鎖不全症と診断しました。
  僧帽弁閉鎖不全症は中高齢の小型のワンちゃんでは珍しくない疾患です。
  病気の初期ではほとんど症状はなく一見健康そうに見えます。
  しかし病状が進行するにしたがい発咳や急性肺水腫による呼吸困難などが
  みられます。治療としては内科療法が一般的です。
  ただ、病状が進行するにしたがい薬の種類や量が増える傾向にあり、
  お薬の服用に苦労することも少なくありません。
  また重症化すると病気のコントロールも難しくなります。
  この疾患では早期の段階からお薬を服用することで動物が症状なく過ごせ
  る期間を伸ばすことができます。
  また、初期ではお薬も1種類の服用で済むことが多いので比較的容易に
  管理できます。早期からの医療介入がすすめられる疾患の1つです。
  このワンちゃんはその後急性肺水腫を起こし危険な状態に陥りましたが、
  治療により改善し今は落ち着いています。
  通常は生涯内服薬を続ける必要があります。